Childaidとは

チャイルド・エイド・アジア2011 開催の成果

2011年1月8日(土)、日本で初めての『チャイルド・エイド・アジア2011』を開催しました。出演者は約130人。様々な生活環境の子どもたちが自分らしさを表現し、言葉や国を超えて交流し合い、一つの舞台を創り上げました。そこで生まれたエネルギーは、1日だけのイベントで消えるのではなく、未来を拓く力になると信じています。リトル・クリエイターズは、「チャイルド・エイド・アジア」を継続できるよう努力を重ねてまいります

■若い才能の発掘
出演者を公募し、オーディションで選抜した結果、津軽三味線の鈴木雄司さん(14才)、バイオリンの和田明佐美さん(12才)、バイオリン合奏のきらら合奏団(7〜15才)、ピアノの中島英寿さん(16才)と多彩な人材が集まりました。その中で、和田明佐美(バイオリン)さんは、シンガポールの『ChildAid2011』に出演が決定しています。

■児童福祉施設・石神井学園の子どもたちの成長
様々な理由で保護者と一緒に生活ができない石神井学園の子どもたち20名が参加しました。8月から5カ月のワークショップを経て、選抜メンバーが音楽劇「シンガポール誕生」の語り役として、全員がオープニングとフィナーレの合唱に出演しました。
その生い立ちや生活環境に起因するものなのか、自分を表現することが苦手な子どもたちが多く、ワークショップの初期は反発し、ふざける子がほとんどでした。しかし、回を重ねるごとにセリフや歌に真剣に取り組むようになり、本番では緊張をしながらも堂々と自分の役割を演じ切ったのです。CAAを通じて、自分を表現することの面白さ、人と触れ合うことの喜びを体験し、人間的に大きく成長したように見受けられます。

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石神井学園の子どもたちのコメント

■言葉や生活環境を超えた子どもたち同士の交流
シンガポールから26人が出演し、日本の子どもたち約100人と共演、オープニング「A World to Imagine」とフィナーレ「輝く明日へ」では、出演者全員が合唱し、一つの舞台を創り上げました。舞台裏では、初めて出会う子どもたちの間に自然な交流が生まれました。一緒に写真を撮ったり、サインをねだったり...。そこには言葉は必要なく、笑顔が共通言語になっていたのです。また、コンサート翌日には、シンガポールの子どもたちが石神井学園を訪問し、コンサートに出演しなかった子どもたちとも音楽や折り紙などを一緒に行い、すっかり仲よくなりました。

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シンガポールの出演者のコメント

■子どもたちが発するエネルギーに、大人が感動
観客のコメントで最も多かったのが、「思っていたよりもレベルが高くてびっくりした」「子どもたちから元気をもらった」というものです。子どもたちの努力の成果が、「子どもっぽい」というイメージを払しょくし、大人の観客の心を動かすことができたのだと思います。

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お客様のコメント

■支援の輪の広がり
コンサートをご覧になったお客様の一人より、石神井学園の子どもたちにミュージカルを見せてあげたいとご寄付をいただきました。ご自分が小さい頃に『キャッツ』を観て感動し勇気を得たので、厳しい生活環境にいる彼らにもそうした機会提供したいとのことです。約30人の子どもたちが劇団四季の『ライオンキング』を観劇します。また、東日本大震災を知ったシンガポールのCHIJ Kellock校の父兄から、被災した児童福祉施設のために使ってほしいと義援金をいただきました。
CAAをきっかけに、子どもたちへの支援の輪が広がっているのが嬉しいです。


「チャイルド・エイド・アジア2011」に参加して
〜シンガポールからのメッセージ〜

It was a huge journey as the BTBAF students we had were quite playful before we left and I was worried that they would not be professional enough for the japanese audience which is very sophisticated. upon arriving at the rehearsals, I think all the performers were stressed out as they finally realised how much work they needed to do to get up to the standard of the other performers....and I'm glad they realised it because they started doing vocal warmups without my scolding and practising their dance steps.

But most of all, the visit to the orphanage was what really left a deep impression on all of us. The children of Shakuji Gakuen were so open and loving - that they unlocked something within all the BTBAF students from Singapore. They bonded almost immediately and started making friends despite the language barrier and all of them cried when it was time to leave. Watching Azariah learn to play Sukiyaki with the shamisen player really moved me as well. Azariah never plays pop songs, so it was wonderful to see him going that extra mile to connect....as Azariah is hearing impaired.

ビジネス・タイムズ・バディング・アーティスト・ファンドの子どもたちが来日する前はとても興奮していて、日本の目の肥えたお客様に対しプロのように公演ができるかどうか心配がありました。そういった意味でも、今回の旅は大旅行だったといえます。そしてリハーサルの舞台に立ったとき、他の出演者の水準にまけないためには自分がどれほど稽古を積むべきだったかをようやく理解し、ついには私に怒鳴られなくても発声練習をしダンス・ステップの稽古をするようになりました。

しかしながらこの度では、児童養護施設を訪れたことが何よりも深く印象に残っています。石神井学園の子どもたちは殻に閉じこもることなく愛らしく、シンガポールから訪ねていった子どもたちの心に潜んでいた何かを解き放ったようでした。子どもたちは言葉の壁を感じることなく直ぐに友だちになり、別れるときには皆が涙していました。施設を訪れたときに、ボランティアの三線奏者から「上を向いて歩こう」を習っていたアザリアも印象的でした。耳の不自由な彼が、そして決してポップの曲を演奏することのない彼が、新しい一歩を踏み出したように見受けられ素晴らしいことだと感じたのです。

Adelina Ong
The Little Arts Academy